Category Archives: 椿姫

【Traviata:Vol.5】称号な貴族のみなさん

貴族の館の写真。パーティなどはこのような広間で食事が提供されていたようです。

オペラの中には、よく色々な貴族の称号や、身分を明確にしているものがあります。例えば、『椿姫(La Traviata)』では、少なくとも、侯爵(ドビニー)、男爵(ドフォール)、子爵(ガストン)の3人の貴族が登場しています。
原作とは違うところがあり、そして、それぞれの称号が、とてつもなく趣深いものだなあ、と感じることがありましたので、それも合わせて貴族というものをちょっとまとめて見ましょうか。

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【Traviata:Vol.3】ルイルイ♪は「太陽の金貨」

鹿島茂さんという方の「馬車が買いたい! (白水社 ) 」と言う本があります。

当時の生活ぶりを、「ゴリオ爺さん」や「レ・ミゼラブル」等の登場人物を通して解き明かしていてとても面白いです。

フランスではどの時代でも生活水準の目安となるものがパンの価格だそうです(へーーー)物価指針と言う奴ですね。日本の米価になるのでしょうか?

ちなみに、1キロのパンが8スー(4/10フラン)だったそうです。1キロのパン=バケット4本分にあたるそうです。

Fresh sourdough bread on farmers market
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【Traviata:Vol.1】ドゥミ・モンドのこと

今回はドゥミ・モンドのことについてちょっと書いてみましょう。
この話を書いておかないと先にいろいろと進めなくなってしまうのです。


ドゥミ(半分)モンド(世界)
フランス語で「半分の世界」という意味になる言葉ですが、実はけっこう新しい言葉なんです。それも 誰あろう、アレクサンドル・デュマ・フィス(息子)が、1855年に発行した小説のタイトルとして創った言葉とのことです。ってことは、その頃、実際にはそう呼ばれてはいなかったっていうことですよね。また、わざわざそういう言葉を作った、ということは 今までの社交界とは違うものがそこに確実に存在した、ということになるのだと思います。

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