【Bohème:Vol.8】Berlingaccioのおご馳走
春になったら別れましょうといったミミとロドルフォ。実際に別れてしばらくして、自分の死期を悟ったミミが懐かしいロドルフォの屋根裏部屋に戻ってきます。その少し前、また4人のボヘミアン達がいつものようにふざけ合っています。その時に言ったマルチェッロのセリフ、ベルリンガッチョ?なにそれ???
春になったら別れましょうといったミミとロドルフォ。実際に別れてしばらくして、自分の死期を悟ったミミが懐かしいロドルフォの屋根裏部屋に戻ってきます。その少し前、また4人のボヘミアン達がいつものようにふざけ合っています。その時に言ったマルチェッロのセリフ、ベルリンガッチョ?なにそれ???
「ペントハウス」っていうととても豪華で素敵な響きがありますね。まあ、平たく言って、屋根裏部屋のことなんですが、それでもこの言葉には、赤毛のアンではないけれど、ちょっとばかりの憧れを持ってしまうのですが…… ヨーロッパでは、あまりロマンチックなばかりのものではないようです。
ご存知、ボエームの第一幕。ミミとロドルフォの出会いのシーンは蠟燭の火がきっかけになりますね。蠟燭って暗いんですよ…… おまけに季節はちょうどクリスマス頃。ヨーロッパは緯度が高いせいもあって、冬はとても早い時間に暗くなってしまいます。今頃だと17時には真っ暗です。
ボエームといえば、若者の群像劇です。なので、基本、登場人物は皆若者です。もちろん、農家のおかみさんや物売り、モミュスのお客には年をとった人も出てきますが、名前のある人は若者が基本。その中で、名前はあるけれど若くない人間がふたりいます。ともに、若者から見たら最も忌むべき人間です。つまり、年を取り、小金を持ち、愛ではなく女を連れ歩くことを喜ぶ、彼らとは真逆の人たちです。1幕の大家さん、ベノア、2幕のム……
原作では1840年の設定を、オペラではわざわざプッチーニが1830年代初頭に移したのにはいくつかの理由が考えられます。ひとつは、国王陛下の人気の度合いです。それと一番の理由は生活の苦しさではないかと愚孝しているわけです……
その名前を聞いただけでどんな人かイメージすることがありますよね。小説などでも主人公の名前は、そのキャラクターや物語に合わせて付けられているように思います。 そして、やっぱりオペラの登場人物も、そのキャラクターを意識した名前が付けられているようですよ
私の名前はミミ。でも本当の名前はルチアです。そう、ボエームに登場する女性はふたりとも、通り名で生きています。それがこの物語のひとつの秘密になっています。 そして男性たちの名前にも秘密があるのです。
舞台になった、カフェ・モミュスなんですが、実はThomasBoysという画家がスケッチを残しています。 ケンブリッジ・オペラ・ハンドブックの表紙にスケッチの一部が使われているので、記憶にある方もいらっしゃるかもしれないですね。
アンリ・ミュルジェール作、『ボヘミアン生活の情景(ScenesdelaViedeBoheme)』が原作です。戯曲としては1849年、小説としては1851年に出版されました。ちょうど王政が廃止され、第二帝政が始まるまでのはかない第二共和制の時代に出版された本です。 そして、1822年生まれのミュルジェールの自伝的青春小説で、登場人物もみな、実在のミュルジェールの友たちがモデルになっているよ……
ボエームの舞台背景はまあ、せいぜいが1830年代中頃まで。つまり1830年から1835年頃と見るのがよさそうです。 お話は文無しの若者たちと、貧しいけれど心根の優しい娘たちの一瞬のきらめくような愛と死を描いたとてもロマンチックなお話ですけれど、この当時のフランスって、実のところ、とんでもないことになっているんです。ここんところは押さえておきましょうか。