
オペラの中には、よく色々な貴族の称号や、身分を明確にしているものがあります。例えば、『椿姫(La Traviata)』では、少なくとも、侯爵(ドビニー)、男爵(ドフォール)、子爵(ガストン)の3人の貴族が登場しています。
原作とは違うところがあり、そして、それぞれの称号が、とてつもなく趣深いものだなあ、と感じることがありましたので、それも合わせて貴族というものをちょっとまとめて見ましょうか。
時代背景とかなんとか
オペラの中には、よく色々な貴族の称号や、身分を明確にしているものがあります。例えば、『椿姫(La Traviata)』では、少なくとも、侯爵(ドビニー)、男爵(ドフォール)、子爵(ガストン)の3人の貴族が登場しています。
原作とは違うところがあり、そして、それぞれの称号が、とてつもなく趣深いものだなあ、と感じることがありましたので、それも合わせて貴族というものをちょっとまとめて見ましょうか。
なんだかずっとクルティザンヌにこだわっているようなんで恐縮ですが。
かのオペラ研究家、故永竹先生が書かれたご本で『オペラになった高級娼婦〜椿姫とは誰か〜』というものがあります。
その中で先生は高級娼婦文化は人類史上3回のみ発生していると仰っています。
鹿島茂さんという方の「馬車が買いたい! (白水社 ) 」と言う本があります。
当時の生活ぶりを、「ゴリオ爺さん」や「レ・ミゼラブル」等の登場人物を通して解き明かしていてとても面白いです。
フランスではどの時代でも生活水準の目安となるものがパンの価格だそうです(へーーー)物価指針と言う奴ですね。日本の米価になるのでしょうか?
ちなみに、1キロのパンが8スー(4/10フラン)だったそうです。1キロのパン=バケット4本分にあたるそうです。
Vol1から随分と時間が経ってしまいました。
前回は、ドゥミモンドと新興貴族のお話を致しました。これは儲けちゃってこまっちゃった人たちのお話でしたね。今回は「クルティザンヌ」のことを描いていきたいと思います。
トゥーランドットという姫の名前なんですが、どうにも中国の姫のような気がしないんですよね。どこの名前なのかしら?とずっと不思議でした。
ムーラン、という映画があります。これは中国の伝説的な佳人で武人「花木蘭」をモデルにしたディズニーのアニメーションですが、個人的には花木蘭とムーランがなかなか結びつかなくて、あるときに「木蘭」=「ムーラン」と気づいてびっくりしました。
原作では1840年の設定を、オペラではわざわざプッチーニが1830年代初頭に移したのにはいくつかの理由が考えられます。ひとつは、国王陛下の人気の度合いです。それと一番の理由は生活の苦しさではないかと愚孝しているわけです……
1830年初頭は貧しかった労働者階級は更に貧しく(それ以前は貧しかったけれど、まだ食べられたんです。それが真剣に食べられなくなってきたのがこの頃です)農村の労働力としては心もとない娘達は、田舎から出てきて(出されて)パリでなんとかお針子や女中としての職を得ながら、それでもどうしようもない生活をなんとかするためにもうひとつの仕事に手を出します。
Continue reading今回はドゥミ・モンドのことについてちょっと書いてみましょう。
この話を書いておかないと先にいろいろと進めなくなってしまうのです。
ドゥミ(半分)モンド(世界)
フランス語で「半分の世界」という意味になる言葉ですが、実はけっこう新しい言葉なんです。それも 誰あろう、アレクサンドル・デュマ・フィス(息子)が、1855年に発行した小説のタイトルとして創った言葉とのことです。ってことは、その頃、実際にはそう呼ばれてはいなかったっていうことですよね。また、わざわざそういう言葉を作った、ということは 今までの社交界とは違うものがそこに確実に存在した、ということになるのだと思います。
ヨハン・シュトラウスIIの名作「こうもり」と言えば、1870年頃のウィーンが舞台。大晦日のバカ騒ぎ…
実は原作では「パリ」の「クリスマスの夜」なんです。その原作って「Réveillon(イヴのどんちゃん騒ぎ)」アンリ・メイヤックとリュドヴィック・アレヴィによって「パリを舞台に」フランスで「戯曲として」出され成功しています。(実は、この原作本には、プロイセンが舞台となっているネタのお話があるようなんですが、エッセンスが全く違うのでここでは黙殺しますね)
1870年頃のパリが舞台、ということは、登場人物たちの設定にとっても大きな意味があります。
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