TURANDOTには、ピン・ポン・パンの三人の狂言回しキャラクターが登場しますね。プロローグの「もじもじする大臣たち」に、ちょっとだけ顔を出している三人です。今回は、こちらの三大臣のお話をいたしましょう。
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知っていても誰にも褒められないし世の中に何の役にも立たない、オペラのトリヴィア集
TURANDOTには、ピン・ポン・パンの三人の狂言回しキャラクターが登場しますね。プロローグの「もじもじする大臣たち」に、ちょっとだけ顔を出している三人です。今回は、こちらの三大臣のお話をいたしましょう。
Continue reading【TURANDOT:VOL.2】そもそもティムール達って、一体どこからきたの?で、ティムールとリューの二人は、アストラハン(Astracan)という、カザフスタンの西、カスピ海にほど近い地域より現在の列車で7日以上(まあ、列車の運行状況にもよりますよね)かかる距離を、延々と「歩いて」やってきたというお話をいたしました。
ってか、なんで東に逃げたんかな?
Continue readingオペラの中には、よく色々な貴族の称号や、身分を明確にしているものがあります。例えば、『椿姫(La Traviata)』では、少なくとも、侯爵(ドビニー)、男爵(ドフォール)、子爵(ガストン)の3人の貴族が登場しています。
原作とは違うところがあり、そして、それぞれの称号が、とてつもなく趣深いものだなあ、と感じることがありましたので、それも合わせて貴族というものをちょっとまとめて見ましょうか。
なんだかずっとクルティザンヌにこだわっているようなんで恐縮ですが。
かのオペラ研究家、故永竹先生が書かれたご本で『オペラになった高級娼婦〜椿姫とは誰か〜』というものがあります。
その中で先生は高級娼婦文化は人類史上3回のみ発生していると仰っています。
鹿島茂さんという方の「馬車が買いたい! (白水社 ) 」と言う本があります。
当時の生活ぶりを、「ゴリオ爺さん」や「レ・ミゼラブル」等の登場人物を通して解き明かしていてとても面白いです。
フランスではどの時代でも生活水準の目安となるものがパンの価格だそうです(へーーー)物価指針と言う奴ですね。日本の米価になるのでしょうか?
ちなみに、1キロのパンが8スー(4/10フラン)だったそうです。1キロのパン=バケット4本分にあたるそうです。
Vol1から随分と時間が経ってしまいました。
前回は、ドゥミモンドと新興貴族のお話を致しました。これは儲けちゃってこまっちゃった人たちのお話でしたね。今回は「クルティザンヌ」のことを描いていきたいと思います。
第一幕、謎解きに失敗したペルシャの王子が処刑される前、最後に、一目焦がれ続けたトゥーランドット姫の花の顔を拝むことが許されるシーン、大衆からの「お慈悲を!」コールに応えて姫が姿を現します。まあ、お慈悲をきっぱりと拒絶されるわけですが。
Continue readingトゥーランドットという姫の名前なんですが、どうにも中国の姫のような気がしないんですよね。どこの名前なのかしら?とずっと不思議でした。
ムーラン、という映画があります。これは中国の伝説的な佳人で武人「花木蘭」をモデルにしたディズニーのアニメーションですが、個人的には花木蘭とムーランがなかなか結びつかなくて、あるときに「木蘭」=「ムーラン」と気づいてびっくりしました。
トゥーランドットで、主役のトゥーランドット姫よりも人気のあるリュー。
王子がかつて一度だけ微笑んでくれたからと言うだけで(一目惚れしたってことなんだとは思いますが)、目が見えなくなったティムールを支えて、遠くアストラハンから北京まで(どうして北京なんだかわからないけれど)逃避行を続け、王子の幸せのために老人のティムールをかばって拷問を受け、挙句に自殺して果てる。ああなんてかわいそうな、そして健気なリュー…
あ、でもちょっと待ってください。リューは、前回もお話ししましたが、あんな遠くから、目も見えない、また、お尋ねもの(負けた国の王なんで)の老人を連れてですよ、若い娘が護衛も連れず長い長い旅をしているのです。そんな。今と違って街や邑を離れた街道は追い剥ぎやら山賊の宝庫ですって。
戦って倒した相手も 一人や二人ではなかったでしょう。いや、そのくらいの気概がなきゃ、まず速攻に捕まって売り飛ばされていますって。
トゥーランドットとは、当時のヨーロッパの人々にとっては、「ほとんどの人が見た事もない国々の人の話」です。
私たち日本人にっとても、実は知らない国々かもしれないですね。例えば、名の知れぬ王子(カラフ)、その父ティムール、そしてリューは、何処から物語の舞台となった北京にやってきたのでしょうか?姫も単に「外国人!外国人!」と呼んでいますよね。どこの国からきたのでしょう。気になりませんか?